トップ > 国際税務について
国際税務について
香港との租税協定が基本合意!
- 2010-03-31 (水)
- 国際税務について
本日、香港との租税協定が基本合意になったようです。
http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/sy220331ho.htm
この租税協定が締結されることにより、当然のことながら、日本企業及び香港企業ともにお互いに進出しやすくなります。
この租税協定の意義についてざっと思いつくのは以下のような点でしょうか。
外国人漁船員は非居住者か
- 2010-03-03 (水)
- 国際税務について
水産会社の外国人漁船員の配乗等の業務を請け負った法人に対する支払が課税上問題となった訴訟に関する判決(平成22年2月12日判決 平成18年(行ウ)第651号他)に関する記事が、今週の税務通信に載っていた。
で、その中で争点の一つとなっていたのが、「外国人漁船員は非居住者か」どうか。
判決では、以下の理由により、日本の居住者ではないため、非居住者であるとしている。
12/20/2009 海外不動産投資税務セミナー
- 2009-12-01 (火)
- 国際税務について
ニュージーランドの賃貸不動産への投資を題材にして、節税テクニックのセミナーを行います。
http://info.nz-banksupport.com/?eid=800106
このセミナーで想定している対象は以下のような方です。
○ 日本の居住者
○ 最高税率(住民税合わせて50%)に達するような税金を納めている方
つまり、節税をお考えの日本の高額納税者の方にまず聞いてみてほしい内容です。
このセミナーで題材にしたニュージーランドの不動産はこの節税テクニックにかなり適しているのですが、別にニュージーランドに限らず日本でもアメリカでもどの国の賃貸不動産をお考えの方でも、知っておいて損はない内容かと思います。
お申し込みお待ちしています。
海外金融商品の税務について
- 2009-09-29 (火)
- 国際税務について
現在の日本の法律では、日本居住者が日本国外で組成された金融商品を取得することを禁じていません。
従って、日本国内の金融商品よりもより利回りの高い商品やより手数料の低い商品があれば、自ら直接日本国外の金融会社からそのような金融商品を購入することができるため、投資家の間では近年そのような動きが特に活発になっているように感じます。
このような場合でも、日本居住者であれば、全世界所得に対して日本で納税することになっておりますので、日本の国内税法に基づき適切な確定申告を行わなければならないのですが、この「適切な」というのが非常に難しいのです。
というのも、日本国内の所得税法では、所得の区分を10種類に分け、それぞれに異なる所得計算方法や税率を使うことになるのですが、海外の金融商品の中には日本の税法が全く想定していないものも存在するため、「適切」に申告しようにもその当てはめが非常に困難なのです。
このような金融商品の販売者が、日本の証券会社や保険会社であれば、事前に国税庁に対して文書で質問等をしてくれるため、少なくとも通達ベースでは取り扱いが明確になるのですが、海外の販売者はそのようなことをしてくれません。また原則として、国税庁が通達という形で取り扱いを公表しない限り、各税務署長や税務職員の個別判断になりますので、事前に税務署に問い合わせたとしても安全とは言えないのです。
税務署が当てにならないとなれば、各投資家個人が税務署や税理士の見解を踏まえて課税リスクを自己判断して行うことになります。つまり、このような複雑な金融商品の購入は、最終的には解釈論に行きつくことから、それ自体課税リスクが避けられないのです。
一般的には納税者側は最も税額が少なくなる解釈をし、課税当局側は最も税額が多くなる解釈をしますから、最終的には裁判になり、裁判所でその解釈論の是非が結論づけられるようになります。この時点でようやく判例や通達ができるわけです。
従って、このような判例や通達が出ていない複雑な金融商品を購入する際には、自己流の勝手な解釈で安心するのではなく、どのような別の解釈が存在し、最悪の場合どのくらい追徴課税されるのかについて、事前に十分に検討した上で、投資の意思決定及びその税務申告方針の決定をする必要があると思います。
税務署に全く通用しない独自の理屈では、下手すれば脱税扱いにもされかねません。個人投資家であっても、税務リスクの判断は実質的な利回りの判断をする際の重要な要素であると思いますが、個人投資家の場合は機関投資家と異なりこの部分を軽視している方が多いような気がします。
来料加工に対するタックスヘイブン税制
- 2009-07-21 (火)
- 国際税務について
来料加工取引を巡る訴訟で初めての司法判断が示され、来料加工形態は製造業であるとの結論となったようだ(税務通信平成21年7月6日号の記事より)。
来料加工形態は日本の税務上の取り扱いが何年もの間ずっとグレーな状態に置かれており、華南地方に進出している日本企業はずっと不安定な立場が続いている。
現在何件も国税側と会社側で争いになっているが、これまでは国税不服審判所止まりであり、裁判所から判決として出されたのは今回が初めてであることから、その結果が注目されていた。
双方主張すべき点があるので裁判までなっているわけであるから細かいことについてはここでは言わないが、ひとつ強く言いたいのは、「早く法律で明文化して法的な安定性を確保して欲しい」ということである。
もともとのタックスヘイブン税制の趣旨は、「低税率国の経由による課税逃れの防止」である。本来であれば、製造業であるか卸売業であるかなどはどうでもいいレベルの話であって、来料加工という形態が「低税率国の経由による課税逃れの防止」なのかどうかこそが国として問題とすべきで点ではないか?つまり、これだけ注目されている論点なのであるから、このような観点で税制改正の論議を行い、速やかに法制化することが筋ではないだろうか。
現状を考えると、立法者は裁判中という理由によりこの論点から逃げているとしか思えない。当然ながら裁判で争われているのは、製造業か卸売業かという現税法に従った解釈の範囲を出るものではないのだから、「タックスヘイブン税制とはこうあるべき」というようなタックスヘイブン税制の趣旨に踏み込んだ判決が出るのを期待するのは筋違いである。
なお、私見を述べれば、そりゃ製造業か卸売業かと言われれば一般的なくくりでいけば製造業だろう。ただ来料加工ビジネスモデルはそもそも日本の税金逃れのためにできたスキームではなく、外資企業が中国国内に合法的に進出できるようにと、華南の地方政府と香港を中心とした外資企業が中国の外貨規制や国内法に抵触しないように知恵を絞って生み出した産物であり、モデルは香港企業と中国地方政府との契約になるように作られている。当然中国語だ。物理的には香港企業じゃなくてもこのような来料加工形態はできるはずだが、実務上は中国地方政府側は勝手知ったるモデル契約で締結することを望むはずであり、香港以外から進出してくる外資企業は一度香港に法人を設立し、その法人を使って来料加工契約するというのが、実際の流れではないだろうか?事実、理論的には可能であるにも関わらず、どんなにコンプライアンスの優れた会社であろうとも、香港法人を挟まずに日本法人と直接来料加工契約を結んだ例は聞いたことがない。これは日本企業に限ったことではなく、他国も同様だ。つまり、来料加工形態は単なる課税逃れなんかではなく、華南地方に工場を進出する場合には最も経済的合理性のある方法であるということである。近年の法改正で中国国内に独資企業を作ることができるようになったからという根拠で従来からある来料加工形態を課税逃れであるというのは、後出しジャンケンのようなものである。
要は来料加工形態がタックスヘイブン税制の適用除外となるように法改正すべきであるということだ。もしこのように改正したとして、中国の独資企業がみんなこぞって来料加工形態に組織変更するのであれば、来料加工形態は課税逃れであると言わざるを得ないが、来料加工企業と独資企業にはそれぞれ有利不利があり現実問題としてそんなことはあり得ない。
この問題は普段から注目が多いが、どうしても根本的な議論ではなく目先の技術論が目立つ(裁判で勝つか負けるかが最大の注目点なのでこのこと自体はやむを得ない)ので、この点については機会に応じて声をあげていきたいと考えている。
香港経由での中国投資の優位性
- 2009-06-12 (金)
- 国際税務について
中国、特に華南地域に新法人を設立する場合、投資ルートとしては二通りあります。
(1)日本から中国へ直接出資
(2)日本の香港子会社から中国へ出資
香港は華南地域にありながら中国とは制度が異なる異質な地域ですので、香港を間に入れることでいろいろメリット・デメリットがでてきますが、ここではそれらについては全て無視して、税金だけに着目してみます。
平成21年度税制改正がある前は、明らかに(1)日本から中国への直接出資、が有利だったと思います。
その主たる根拠は、中国法人の配当を日本に送金する場合です。
(1)の場合は、中国から日本への配当の際に10%源泉徴収されますが、日中租税条約で10%のみなし税額控除も取れますから、日本側で合計20%分直接税額控除を受けることができます。
(2)の場合は、中国から香港への配当の際に5%源泉徴収され、香港から日本への配当の際には源泉徴収されません。一見すると源泉される金額は少ないのですが、日中租税条約の適用はないため、日本側でみなし税額控除を取ることができません。間接税額控除によって(1)との間で有利不利もでますが、普通はこのデメリットが大きすぎるため、(1)の方が有利になります。
また他にも、(2)の場合は、香港法人をただの箱にしてしまうと、タックスヘイブン税制の適用除外要件を満たせないことから、香港法人の中国からの配当所得にも日本の税率でみなし課税されてしまう可能性もあります。
つまり、(1)で行っておけば、税務上はそれほど問題なかったかと思います。
ところが平成21年税制改正によって、海外子会社の配当益金不算入制度が出来ました。
これによって、日本において、海外子会社からの配当については直接も間接も税額控除を取ることができなくなりました。
すると、どのように変わるのでしょうか?
(1)の場合は、中国から日本への配当の際に10%源泉徴収されますが、日本では税額控除は取れませんので、合計で配当額の10%がそのまま税金負担、ということになります。
(2)の場合は、中国から香港への配当の際に5%源泉徴収され、香港から日本への配当の際には源泉徴収されません。日本では税額控除は取れませんので、合計で配当額の5%が税金負担、ということになります。また香港では配当所得については課税されませんのでその他追加の税金負担はありません。また、日本のタックスヘイブン税制も香港法人が子会社から得る配当については対象外とするように改正されれましたので、単にペーパーの中間持株会社として活用する場合にはタックスヘイブン税制の心配もありません。
つまり、配当額の5%分だけ、香港経由の方が税金負担が確実に少なくなるのです。従来は税額控除の方法が非常に複雑だったため、(1)と(2)のどちらが有利かについては実際にはケースバイケースということが多かったのですが、今度は税額控除自体無くなりましたので、ほとんどの場合ではこのような結果になることは明らかです。
上記のとおり、税務上有利な中国投資のルートは大きく変わりました。古い情報で判断すると間違えてしまいますので、特にこのような大きな決断については常に最新の情報にて判断されてください。
租税条約と税額控除
- 2009-05-22 (金)
- 国際税務について
最近租税条約等を調べることも多くなったのですが、どうもしっくりこないことがあります。
なんで税額控除方式にこだわるのか、です。
「二重課税を排除する」という趣旨で租税条約を結ぶのであれば、はなから相手国の源泉所得については放棄する、という国外所得免除方式の方が、考え方は相当分かりやすいですし、実務上の手間もシンプルです。
課税権を放棄したくない、というのはもちろん分かりますが、本気で経済交流を進めたいと考えるのであれば、こんな煩わしいやり方にしなくたっていいはずです。
最近の日本の税制改正では、海外からの配当の益金不算入という制度ができましたが、これはここでいう国外所得免除方式ですので、実際のところ、国として採用することはできるわけです。
まあ、多数の「国」が乱立している現状ではお互い利権がありますのでどうにもならない根本的な話ではありますが、海外と取引のある人が、このような複雑な制度を知らずに(専門家以外は無理でしょう)、ある日突然寝耳に水で税務署から追徴されるような恐れがある制度は不親切極まりないと思いますね。
私は民間人なのでこのような相談はどうしても有料でやらざるを得ないですが、国としてこのような制度自体を根本的に改善できないのであれば、せめて専門の無料相談窓口を設けるなどして実務上の問題を減らすといった工夫がされてもいいのではないでしょうか。
OECDがタックスヘイブンのブラックリスト公表
- 2009-04-07 (火)
- 国際税務について
先日OECDからタックスヘイブンのブラックリストが公表されました。
各国間の税務情報を共有して国際的な脱税を防ごう、という趣旨で定期的に検討しているもので、香港やマカオ、スイス、カリブ海諸島など、タックスヘイブンとして有名だった国も、ここ数年でこの圧力にかなり屈し、以前と比べたら見違えるように情報交換に応じるようになっているようです。
そのような流れにかかわらず、このブラックリストに載ったのは、以下の4カ国。
コスタリカ
ウルグアイ
フィリピン
マレーシア
そのほかにスイスやリヒテンシュタインなど30カ国が、グレーリストに載っています。
ブラックリストやグレーリストに載っている国は、なんとなくその理由は想像できるのですが、見当もつかなかった国が一つ。
フィリピンはなんでブラックリストに載っているのでしょう?
机上で調べる限り、フィリピンは法人税率も30%と低くありませんし、オフショア非課税等のタックスヘイブンに特徴的な課税体系も取っていないようです。
また、租税条約も結構な数が結ばれているはずで、日本ともつい先頃締結されたはずです。
税務当局がよっぽど国際的に目に余るような運用をしているのでしょうか?
誰かご存知の方がいらっしゃたら教えていただきたいです。
ちなみに、香港・マカオは中国からの強いリクエストでグレーリストからも外れたそうです。中国はその代わりに香港・マカオへの税務情報開示への圧力を増してくるでしょうから、いつまでもタックスヘイブンだと思っていたら痛い目にあうかもしれませんね。
外国人の代表取締役
- 2009-04-03 (金)
- 国際税務について
気がつけば、もう1か月以上更新してなかったんですね。
所得税の確定申告は3月16日までということで、一番忙しい時期だったことは間違いないのですが、ちょっとさぼりすぎたかな?
まあそんなこんなでこの時期は初めて手掛けるような事例も多く、ネタとしては結構あったはずなのですが、思いつきベースで適当に更新していこうと思います。
外国人が日本で会社を設立するケース、というのは実例として結構あると思いますが、日本の会社法上では、「代表取締役のうち1名以上は日本に住所がなければならない」という規定が意外に足枷になっているのでは、と最近思いました。
別に代表取締役が常駐せずともその国でビジネスをやっていくことはできますし、実際このような規制がない国も多いですので、こういう制約はない方が日本の将来や税収のためにはいいと思うのですが・・・。
国際税務にたどり着く前に、こういった別の法律上の問題にぶつかることが結構ありまして、意外にこっちのほうが大きな問題だったりするんですよね。
こういう問題もまとめてクリアできるように、ワンストップサービスを心掛けていきたいものです。
平成21年度税制改正大綱~外国子会社配当益金不算入制度
- 2008-12-15 (月)
- 国際税務について
先週の金曜日に平成21年度税制改正大綱が出ましたね。
国際税務ブログとしては、まずは外国子会社配当益金不算入制度から。
ほぼこれまで伝わってきていた案と通りになるようです。
概要はこんな感じです。
○ 内国法人が外国子会社から受け取る配当については、95%については益金不算入。
○ 配当等について課される外国源泉税等の額は、損金不算入もしくは外国税額控除不可。
○ 間接税額控除制度の廃止。
○ 平成21年4月1日以後に開始する事業年度において受ける配当について適用。
このような制度になると非常にスッキリする一方、日本の徴税側では税収減が予想されるために、制度としては採用されてきませんでした。
今回は全額益金不算入とするのではなく、5%分だけ日本で益金算入する、ということで落としどころを見つけたのではないかと思います。
また、実際に配当を行う際には、外国側で源泉徴収を行うケースが多いのですが、これについては「二重課税ではない」という理屈で日本側では全く調整しないことになります。
この源泉徴収の有無や源泉徴収率は、進出している国によってかなり異なりますので、この改正による有利不利は進出している国によって変わってくるものと思われます。
この改正大綱を見ただけでも、今後の最適な投資スキームに変化があることは十分予見できますので、しばらく忙しくなりそうです。
ホーム > 国際税務について
