■国際税務 2008年10月31日16:01

生活対策

先日書いたばかりの「海外子会社からの配当の益金不算入制度」ですが、昨日政府から公表された緊急経済対策「生活対策」の中でも、成長力強化対策の具体的施策として記載されていました。

これでどうやら平成21年税制改正で法制化されるのは間違いないでしょう。

仮に法制化された場合、例年通りだと実際に施行されるのは平成22年4月1日からとなるだろうから、それまでに海外子会社から配当の決議を行う予定のある会社については、決議を見合わせたり配当額を必要最低限にするなどした方が賢明でしょうね。

ただし法制化に向けては、先日述べたように論点は結構あります。特に税額控除制度やタックスヘイブン税制との調整は「あっちを立てればこっちが立たず」なので、実際にどのような案が出てくるかによって使い勝手がかなり変わってくるはずですし、場合によっては海外投資のスキーム自体もガラッと変わるということも考えられます。

いずれにせよ、少しでも会社の手取りが増えるような改正であれば大歓迎です。

その他目を引いたものとしては、

・中小企業に対する軽減税率の時限的引き下げ

・中小企業の欠損金の繰戻還付の復活

この辺りは即効力があるので是非決めて欲しいですね。

また、今回赤字国債を財源としなかったことについては個人的には満足してます。

だいたい日常社会では返済期限や方法を明確にしないと借金できないもんですが、どうも国の場合は「今は景気が悪いので借金して消費します。借金は景気が良くなったら返済するよ。返せそうに無いときは借り換えということで御願い!」というような流れで簡単に借金してるように思えてならないのです。

仮に赤字国債を発行するなら、「10年後の償還時には、○○政策の効果による収入増により2兆円、xx税の増税による収入贈により3兆円を財源として返済します。返済できなかったら、支出を削ってでも返済します。従って、必ず返済できます。」と約束するのが筋じゃないですか?そうじゃないと貸してもらえないですよね?国の場合は、安易に借り換えできるような仕組みがそもそも問題になっていて、モラルハザードになってしまっているんだと思います。

まあ政治は良くわかんないんですけど、なんでこんなに国債ためちゃったの?というのが普段から素朴な疑問だったので、ついでに書いてみました。