■事務所便り(2010年) 2010年04月20日12:19

板倉会計事務所便り 2010年5月号

今月のひとこと

当事務所への日頃のご愛顧、誠にありがとうございます。

今回は、商売とギャンブルについて。そんなん較べるな、とのご意見はさておき、似ているところもありますよね。
まずどちらも元手が要ります。後だしジャンケンはできません。最初にいくらかの元手を出し、うまくいけば儲かりますが、失敗したら没収されます。次にどちらもルールがあります。いかさましている間は勝てるかもしれませんが、ばれたらその後はどうなることやら。そして参加するには参加料がかかります。会社だったら会社維持費、麻雀だったら場代、競馬だったらテラ銭、というように、仕組み的にタダじゃ参加することはできません。

さあ突然ですが、あなたはギャンブルしか選択肢の無い状況に追い込まれました。ギャンブルで勝つための方法を必死で考えてください。

~回答案の例~

対策1 独自のノウハウのあるギャンブルを選ぶ
麻雀だったら手の作り方、パチンコだったら釘や台の選び方、ルーレットだったらディーラーの癖。いかさまじゃなくてもルールの範囲内で勝ちやすくする方法はゲームの性質によってあるはずです。ルールを理解しているだけでは不十分で、ルールの枠内で選択できるコツを知らないとまず勝てません。

対策2 テラ銭の低いギャンブルを選ぶ
宝くじだったら55%、競馬だったら25%がテラ銭として運営者取り分になります。つまり、ゲームが引き分けなら、これを差し引かれた分しか返ってきません。当然ながら、少しでもテラ銭の低いギャンブルを選んだ方が勝利への近道なのは言うまでもありません。

対策3 勝てそうな相手を選ぶ
宝くじなどは確率が全てですが、人間相手のギャンブルの場合は確率では決まりません。当然ながら、自分より弱い人と勝負した方が勝率は高くなるでしょう。

ではこれを参考に、商売で勝つための方法を必死で考えて下さい。商売だって少しうまくいかなくなったからって、簡単にはオリられませんよ。

~回答案の例~

対策1 独自のノウハウのある商売を選ぶ
現在の主力事業と全く別の商売のネタを考えようとしてもうまくいきません。そもそも関連知識がないので、発想自体浮かんできませんし、いいアイディアが浮かんだとしてもそれを実現するための手段に苦労するでしょう。技術面を強化すればチャンスがあるのか、それとも今ある技術を活かし新業種向けに販路開拓したほうがチャンスがあるのか。自分もしくは自社の強みの分野に絞って考え抜くことが成功への近道です。

対策2 税金の低い国を選ぶ
なんて普通の商売では選べませんよね。ただし海外取引のある会社はそのチャンスがあるかもしれません。

対策3 マーケティングの方法を考える
なんて表現はきれいですが、基本原理はギャンブルの場合と同じです。今の時代、上手な広告によって悪い商品をどれだけ掴まされていることか。広告の仕方によっては悪い商品さえたくさん売れるのが現実なのですから、いい商品が売れない訳がありません。広告の仕方が悪いのです。

自動車税の季節がやってまいりました!
納付期限は5月末です。忘れずに

香港・中国 豆情報 ~ 香港と中国の関係

香港と中国の関係って正確にお分かりでしょうか?これがまた微妙な関係なのです。

香港は1997年までの99年間はイギリス領でしたが、同年中国に返還されました。従って、現在は「香港は中国の一部」というのが正解なのですが、その返還の際についた条件が「今後50年間については高度な自治権を維持すること」。つまり、イギリス植民地時代の制度をそのまま引き継いでいるのです。

ところで中国と言えば、言わずと知れた「共産主義国家」。一方、香港は最低賃金制度すらない「自由経済国家」。こんな相反する制度を一度に統一してしまうことはしょせん無理な話です。従って、現在の実際のイメージとしては、「中国と香港は全く別の国で制度も全く違う」と考えた方がしっくりくると思います。

ただし、中国領になってから10年以上が経って50年という自治権の終了時期もかすかに見え始める一方、中国と香港との関係も大きく変わりました。返還後の中国経済の急成長によって、現在は上海など香港の代わりになれる存在が複数できたため、香港は中国に対して圧倒的な存在感を失いつつあります。既に香港も中国との密接な関係なしに単独では生き残れないという認識になってきており、どのような形で融合していくのか今後も注目です。(板倉聡)

3月31日付で日本・香港間で租税協定が基本合意!興味ある方はホームページで解説してますのでご覧下さい。