■香港 2010年09月16日15:00

人民元を無制限に保有する方法

近年は、人民元高の切上期待が続いています。

そこで投資家の間では、今の人民元が安いうちに人民元に替えておきたい、というニーズが強いのですが、ご存じの通り人民元は為替規制が極めて強い通貨ですので、中国国外では人民元を保有することはとても難しい状況が続いていました。

ところがここにきて中国も将来的に人民元を国際通貨にしたいという動きが加速してきて、日本でもHSBCなどで人民元口座を持つことができるようになりましたね。

ただし依然として中国の非居住者に対する制約は大きく、先のHSBCのサービスでも年5万ドル相当までに限られており、他の国でも同様に上限があります。

ところが香港は中国にとってテスト市場と捉えているようで、香港法人については人民元口座を無制限で所有できるようになりました。つまり、香港にペーパーカンパニーを作れば、事実上無制限に中国元が保有できるのです!

さらに、中国で人民元口座を開く場合は、上述の非居住者の上限があるだけでなく、いざ引き出す時に簡単に引き出せない、という大問題があります。いくら数字上儲かっててもいざという時に引き出せないお金じゃあんまり意味はないですよね。

その点、香港法人での人民元口座はいつでも他の通貨に換金自由ですし、送金規制もありませんし、利息収入には税金がかからないので香港では無税です(日本からは雑所得で課税されますが)ので、使い勝手が全然違います。

デメリットとしては、①ペーパーカンパニーの設立と維持にお金がかかることと、②預金以外の人民元の運用方法が限られる、という点になるかと思います。

①については私の方でできるだけローコストでサポートできますが、この目的だけで作るのであれば1億円程度ないと面白くないと思います。1億円程度あれば預金利息だけで維持費等は十分賄えますので、純粋に切り上げ期待の投資として検討余地があります。

②については、香港でも少しずつ人民元建ての金融商品が認可されてますので、いずれはいろいろなオプションが増えると思います。

興味があったらご一報下さい。