■事務所便り(2011年) 2011年01月29日21:39

板倉会計事務所便り 2011年1月号

今月のひとこと

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。

昨年12月に公表された税制改正大綱によれば、高所得者・役員に係る給与所得控除が縮小されることとなりました(具体的内容は以下を参照)。国の財政が苦しいのは周知の事実ですが、当面の財源確保のためには比較的生活に余裕のある人に税負担を求めるしかないとの方針のようで、その他消費税や相続税等の改正案からもこの方針が感じ取れます。ただし、「足りないから取れそうなところから取ってくる」というのは、なんのポリシーも無い一番安易な方法なので、短期的にはごまかしがききますが、長期的にはどこかでその代償を払うことになります。

例えば、会社で考えてみれば分かりやすいかと思います。ここ数期、継続的に赤字が続いてしまっているとします。当然黙って赤字を垂れ流しているわけはなく、いろいろ考えられる手は打っているとはずですが、それでも継続的に赤字になってしまうのですから、そういう時には通常の手では足りず、抜本的ななにかを変えなくてはならない時期にきています。

そこで一番やってはいけないのは、安易な延命策を取ることです。例えば、上得意先の足元を見て突然値上げをする。当然、上得意先は頭にきますが、通常はすぐに全部の取引を引き上げるわけにもいかないので、しばらくは不本意ながらその値段で取引をせざるを得ないでしょう。しかし、上得意先はその間に別の仕入先をみつけ、我慢の限界が来たところで、いずれは取引終了を突き付けてくるでしょう。会社の生命線である上得意先との取引が切れたら、それこそその時点で会社はジ・エンドです。上得意先というのは、通常の得意先よりもいい利益をもたらしてくれるから上得意先なのであって、経営者だったら上得意先に無理を言うのは最後の手段です。それよりは、「なぜ通常の得意先では採算が合わないのか?」を真剣に考えるのがまともな経営者じゃないでしょうか。

国にとって高所得者は上得意先です。実際にその人が受けるサービスに較べれば、ほとんど法外な対価を受け取っているのですから。そのような人たちが国外に移住してしまえば、さらに赤字は膨らむだけでしょう。数%出ただけで大きなマイナスになるでしょう。つまり、このような政策を取るのは国の財政にとってマイナスであると、政策の決定者達は思わないのでしょうか?むしろ世界の富裕層が日本に移住したくなるような政策を取れば、今住んでいる人から税金取らなくても、その人たちの税金で国の財政は潤うんじゃないでしょうか?こんな平和で安全な国なんだから、法律と税法を変えるだけで相当数来てくれて、いっぱいお金を落としてくれそうな気がしますが、検討されている気配もなく、残念な気がします。

平成24年1月の給与から給与所得控除の金額が縮小されます!(高所得者・役員限定)

◎年間給与収入が1,500万円超となる全ての人の給与所得控除は・・・
=>上限245万円。
◎さらに、年間給与収入が2,000万円超となる、役員等(法人役員、議員、公務員(一定の管理職以上))に該当する人の給与所得控除は・・・
=>収入により段階的に計算されるが、年間給与収入が4,000万円超となる上限125万円。

(注)現行は、給与収入がどれだけ増えても最低5%は給与所得控除が認められてきた。

香港・中国 豆情報 ~ 香港の冬

香港は日本からすればかなり南にありますので、「冬でも暖かいですか?」という質問をよく受けます。残念ながら、暖かくはないですね~。気温はだいたい10度前後ですが、湿気がある分気温表示よりは寒く感じますし、暖房設備も全く充実してませんので、体感的には結構寒いです。香港人は日本人と同じ恰好しています。セーター、コートにマフラー、手袋と、みんな厳寒装備してます。が、日本人からするとそこまで寒くはないので、コートはあったほうがいいですが、マフラー、手袋なんかは要らないと思います。(板倉聡)

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