■国内会計 2011年06月08日19:26

資金繰りはシステム化しずらい

資金繰り表の作成って結構難しい!

まず第1段階として、損益の見込みがそれなりの精度でできないと、それ以降の作業は全く意味がなくなります。

さらに、売上/仕入と実際の入金/支払のタイミングとの差を正確に織り込まないといけないし、消費税のように損益を通らなくても会社に入ってくるタイミングと税務署に支払うタイミングとの間に差があるものも考慮するのが第2段階。実際には手形があったり相手先ごとに入金/支払タイミングが違うし、手形の割引やファクタリングをしてたり、滞留債権があったりするので、単純化するといとも簡単に実際の資金繰りとぶれてきます。

しかも、グループ会社があれば、連結ベースで資金繰り表を作成しなければグループ全体でお金がどのようにまわってるのか分からないので、連結ベースでの作成が必要になってきます。これが第3段階。グループ各社について、第1段階と第2段階の作業をやらないとこの第3段階には入れないので、グループ会社が多く、グループ間取引が多いほど、作業は大変になります。

こういう時勢なので、海外子会社を含めた連結ベースでの資金繰り表作成等の依頼が増えていますが、実際やってみると標準フォームは作ったものの相当のカスタマイズが必要なので、かなり難しいです。。。完全に見積もりを失敗してます(笑)。

ただ、実際に苦しんでやってみると会社の事業形態は相当理解できるし、会社の問題点も作業の過程でいろいろ分かってくるので、新しいお客さんへのアプローチとしてはとても有意義な作業です。

また、他の会計分野と違って、「資金繰りはシステム化しずらい」という特徴はよく分かったので、まさに会計士としての職人技が活かせる分野でもあると思います。幸か不幸か、ノウハウを身につけてきましたので、資金繰り(特に管理面)でお悩みの方は是非ご相談をお待ちしています。